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魔女の手帖

majyoによる魔女のためのblog

アートコレクターZ

ソウルメイト

「大変、待ち合わせに遅れちゃう」

私は急ぎ足でタクシーをつかまえ乗り込んだ。都内にいる時滞在するタワーマンションの庭園前の歩道から、適当につかまえたタクシーは東京五輪のシンボルマークがついている。

麻布十番から5分ほど走ると、目的地のビルに到着した。

バブル期に大きな繁栄を遂げた某ディベロッパーの築き上げた、成功の象徴の1つでもあるそのビルの中で彼は待っていた。


駆け足で私は待ち合わせの場所に移動した、もう知人T氏は到着していた。

「すいません、遅くなって」

待ち合わせ時間よりも10分前に到着したが、彼らはそれより早く到着していたのだ。

「大丈夫、それじゃ行こうか」

T氏の横にいるのは、世界的に著名なアートコレクターのZ氏だった。
秘書の女性とともに、彼らは私をオフィスまで誘導しながら説明をはじめた。


「前はね、オークラにあったんだけど改装工事はじまったでしょう?
だから、それを機にこっちにうつしたんだよ」


「そうなんですね」



Z氏のオフィスに到着すると、秘書の女性がドアをあけてくれた。
ドアの先に広がるのは、アンティーク・ワールドだ。


「これは、古代ローマの石碑。
これはナポレオンの妻がつくらせ人に贈ったジュエリー。

これはね、世界一美しいといわれるルビーだよ。

あれは、クメール朝の仏像」


並んでいる美術品の説明をしながら、応接室に通され、私たちは荷物を置いた。
セキュリティ上、何も持ってはならないルールだ。

1点あたりの美術品の価値は、数億以上である。

手ぶらの私たちは、茶室に通された。

都会の中にあるビルの一室に、茶室があると誰が想像するだろうか。
茶室で秘書の女性が、お茶をたててくれた。

私たちは薄暗い茶室の中で、話しながらお茶をいただいた。

一応、昔習わされた茶道のお点前を覚えているので、思い出すままに一服いただいた。
すると、Z氏は私をみてこう言った。


「茶道を?」

「はい、子供の頃だけですが、お点前とお茶会の時に応接する対応のみで。裏千家です」

Z氏は、ニコっと笑った。

「この茶室を開く時にね、裏千家の一番偉い人がきてくれたんだよ。また来るんだ、ダ○イ・ラマもローマ法王も、ここに招待する予定だよ」


「すごいですね、また、何故?」

T氏は、驚きながら足を崩した。正座に慣れていないらしい。

「ここには、彼らを招待する理由になる美術品があるからね。後で見せてあげよう」


茶室には、室町時代の掛け軸が飾ってあった。阿弥陀如来だ。当時の日本には装飾品は少ないが、仏像の多くは装飾品で身を飾っていることが多い。ジュエリーというのは、天からもたらされるもの、神仏のもの、という考えがあったのだ。


私たちは、茶室を後にし、応接室に戻った。


「ここにある書はね、メトロポリタンから買い取ったんだ。
数千冊あるうちの1部だよ、他は別のところに保管してる。

じゃあ、はじめようか」

そう言うと、応接室の照明を暗くなり、秘書の他に2人の女性が室内に箱を持ち込んだ。

いくつもある箱を卓上に並べて、1時間にわたり1点1点の説明をした。

「いいかい?今から、東京芸大で4年かけて行う講義を1時間でするよ」


彼は、そう言って丁寧に、シンプルに説明をしていった。
私たちは、手にとり、じっくりと眺め、1点1点のジュエリーに触れた。

悲しみに満ちたものもあれば、人が大好きでキラキラと輝くものもあった。
私は、そのジュエリーたちをみて、こう思った。


「人間がジュエリーをつくったのではなく、石たちが人間を突き動かしてきたのだ」

説明を受ける間、私のツンデレ毒舌妖精はいつもと同様私の頭上にいた。


「こいつねぇ、こんなんいってるけど、これマネロンで集めたやつだよ」

「これあたしほしいからさ、まるごと買収するプランこれから実行するんだよ」

「ていうかさ、あのクメール朝の仏像顔だけでキモイ」


私の感動とは別に、毒舌妖精はいつもと同じだった。



「ちなみにね、新興宗教のお金もマネロンしてんだよ。調べてみな」



なんだかどっぷり、ダークサイドな世界である。

「やっぱそうか、ていうかなんでメトロポリタンからこっちに流してくるとかあるわけ?メトロポリタンでユダヤがバックでしょ?金ないの?」

毒舌妖精はそっけなく答えた。

「じゃないの?だって、今ユダヤと中国ズブズブでしょ?」

「あんたは妖精なのになんでそんなこと知ってんだよ」

ため息をはき、毒舌妖精はこう言った。

「だって、全知全能の妖精だもーん」


何も答える気になれないほど、確かに、と思った。

妖精が、今ここに私を連れてきたようなものなのだ。


「majyoちゃん、記念にこれつけてみなさい。これも、これも!」

Z氏はだんだんテンションがヒートアップして、数十億から数百億のジュエリーを私にみにつけさせてきた。


「えーありがとうございます」

とは言いつつも内心は


「どこのどいつがみにつけたかよくわからんもんつけてくんな(^u^)

っていうかそれ十字軍が遠征で虐殺した土地の鎮魂でつくらせたダイヤの十字架じゃん(^u^)持たせてくんな!

うわーそのエメラルド怖!やめてー首につけないで(^u^)女の大量の怨念ついてるじゃん!

ギャーーーーー(^u^)それ古代メソポタミアの墓から出土したやつ!!!!!」


という悲鳴があがるのをこらえながら、私はニコニコ対応をした。


そう、ジュエリーにまつわる人類史はエグイのだ。



Z氏は、自己陶酔型のようで、説明するうちにだんだんとトランス状態になり目を閉じて演劇調で語りだした。


「そう、ジュエリー、石。
その歴史はね・・・・さかのぼると・・遠い古代にはじまっている・・・


まずね、ビッグバン。そう、ビッグバン!ビッグバンから始まるんだよ・・・


それから・・・・


そう、恐竜、シーラカンス、カンブリア期がすぎていろいろなものが誕生する・・・・


そう、海にはね・・・・シーラカンス・・・・そして、おさかなさん」



何故か、魚だけ、丁寧に呼ぶ。


「なんでそこだけ(^u^)おさかなさん!?」


つっこめない私は、吹き出しそうになっていた。しかし、正面にはおつきのもののように、秘書と社員の女性3人が並んでいる。
まるで、神殿の石造彫刻のようにぴたりとも動かない。むっちゃこっちみてんじゃん。



ここで噴き出したらだめだ、いやもうこらえきれなくなるでしょ。どうしよう。


チラっと、知人T氏を見た。普通である。



「何でこいつ笑わないのwwwwww」

毒舌妖精はこたえた。

「コイツ基本人の話聞いてないからどうでもいんだよwwwww」

「だってさ、Zさんの説明おかしいじゃんwwwwちょっと小躍りしてるし、目閉じて陶酔しきってるよwwwビッグバンだよwwww」



私は、もはや笑いのツボが刺激されてこらえきれなくなっていた。

そこでまた、Z氏は追い打ちをかけてきた。


「そう、おさかなさん・・・・・・


かわいいおさかなさんがいて・・・・

次に人類が誕生した・・・・」



はしょりすぎだろ(^u^)魚類の次、もう人類かよ!



とりあえずこらえきれない私は、口を手でおおった。
笑いをこらえた結果、涙目になった。


すると、Z氏と秘書とその愉快な仲間たちは私をみてこう言った。


「そう、感動するよねぇ。それがアートだよ!」


どうやら、笑いをこらえたリアクションが、感動で涙したリアクションに見えたらしい。

そこでまた私は吹き出しそうになるのをこらえて「そうですね、ほんとですね」と言いごまかした。


「わたしのキャラ設定、一体何キャラ(^u^)!?」

といわんばかりの展開である。

とりあえず、おさかなさん、以降の説明はかなり適当だった。
多分、Z氏はさかな好きなんだろう。と勝手に決めた。


レクチャーの最後に、Z氏は本やら資料をたくさんくれた。

「これねぇ、ローマ法○にも今度わたすの。
ここに飾ってる十字架さ、世界に3つしか現存しないんだけど、うちと、○○と、バチカンにあるんだよ。

これみにくるの、法○。
その本ね、10冊もつくってないんだよ。貴重だから大事にしてね」


何やら、その本や資料をつくるのに500万ほどかけたそうだ。
歴史的な裏付け、専門家の論文、いろいろと必要なものを用意するのに金がかかる。


アートと政治は、金食い虫だと昔から言うけれど本当にそうだと改めて感じさせられる瞬間だった。


「貴重なお品をありがとうございます」


頭を下げ、私はお礼を言った。マネロンだろうが何だろうが、金がかかっているのだ。
これは、感謝しなければならないものである。


Z氏は、こう尋ねてきた。


「さっきのジュエリーとこの十字架と、どっちがいい?」

私は、こうこたえた。


「この十字架ですね」

Z氏は、意外そうな顔をした。


私は、ただの金目のものには興味がない。
ジュエリーは外交にはつかえない。抑止力にもならない。

しかし、宗教にまつわるものは別である。

圧倒的な力の差、象徴。

この十字架にはおそらく、値がつかないほどの価値があるだろう。

未知なるアートの世界に、少し心が躍るような気がした。




その後、レクチャーが一通り終わったあと、私たちは食事にでかけた。
ビル群を見ながらランチをし、話をしていた。


「今都内、不動産売れないんですけど、ディベロッパーもあと4年はたてつづけなきゃいけないモデルでやってるからしょうがないんですよねぇ」

「あー、これからしばらく下げ相場っていってますもんね」

「そりゃ売れないよ、ほんと。4割も売れてないしさ」

「majyoちゃん、こないだも買うなっていってたじゃん?やっぱわかってたんだねー相場」

「いや、私相場の話ってより、地震とかいろんな災害リスク考慮していってたんですけど」

「あーね、それもね。こわいよねぇ」


ランチをすませて、帰り間際送ってくれたZ氏がハグをしてきた。

私も挨拶のハグをしたら、彼は小躍りしながらこう言った。


「君は、恋はしないのかい?もう春だよー」


私は、小躍りするZ氏を見てこう答えた。


「人間に恋することはなさそうですが、ホープ・ダイヤがいつかほしいですね」



Z氏は、ぇっ ?  と小さくつぶやいたがエレベーターのドアが閉まった。


T氏は私をみて笑った。

「majyoちゃんっぽいねぇ」

私はT氏を見てこう言った。


「あのじーさん、スポンサー探してるんですね。
Tさん、気を付けたほうがいいですよ?

私の見立てでは新興宗教3つ、中国、韓国、下手したら北朝鮮、マネロンでこのじーさんつかってオークションで買わせてる構図があると踏んだので。お互い軽く付き合うならいいかもですが、なんかあるとTさんの会社にも迷惑かかるんじゃないかと」


T氏は、少し間をおいてこうこたえた。


「・・・・わかってる、わかってる。大丈夫」



このくちぶりは、全然わかってねぇな。

そう思い、私はこのビルをあとにした。

秘書さんはとても良い人で美人さんで「majyoちゃん、ほんとにいつでも遊びにきて~」と言っていた。


とりあえず、また遊びに行こう。



Z氏の物真似実演をしたくて相方Tちゃんと悪友Tのもとに向かいたかったが、友人のインフルエンザをもらってしまい断念した。



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2月5日 新月の魔術儀式

魔術

2月5日は新月の魔術儀式です。

新規・継続ご希望の方は

mosuko_desu@yahoo.co.jp

までご連絡ください。
4日午後まで受け付けです。


宜しくお願い致します。

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ソウルメイトとの再会

チャネリング メッセージ

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いつものように珈琲を飲みながら、私はプルームテックを吸っていた。
いつも吸っているのは、レッド、メンソール、パープル、そしてストロベリーマンゴーだ。

今吸っているのは、パープル。甘い味がほのかに口の中に残る。
口から蒸気を吐き出しながら、私はこうぼやいた。

「マンゴーってさ、実際はマンゴーアレルギーで食べれないのにね。
ストロベリー味何気にこれ美味しいよね、マンゴーの味するのかしないのかわかんないけど」

妖精たちは、机の上でだべっている。

「何か、また新しいのだすって○○さんいってたけどさ、何だろうね」

暴言妖精がこう返す。

「んなことはいいけどさ、もうそろそろあんたの大きな変化につながるソウルメイトがくるんだよ」

「誰?それ」

プルームテックの先のLEDライトが点滅した。カプセル交換の合図だ。
私は、カプセルをケースから取り出した。パリっとした音が、乾燥した室内に響く。

「ひとつ前に、あんたの養父だったひとだよ。あんたの新しいステージ、そこからだよ。
あのひとがね、あんたにたくさんのものを届けるんだよ。

だって、前の過去世もそうだったんだもの」


そう、来月に紹介される予定のある人物。
その人物のことでさっき、知人T氏とコンタクトをとったばかりだった。


「さっきさ、Tさんに連絡したら、今アフリカだって。あの会社景気いいのかねぇ。
アフリカ出張、しかもルワンダたってさ。私昔、ルワンダの里親支援とか義足団体のボランティアしてたっていったら驚いてたよ。

今だにルワンダは、まだまだ経済成長というほどには程遠いって言ってたわ。
なんかさ、Tさん紹介してくれるKさんてさ。

サザビーのオークションも日本人で一番に声かけるんだってさ。
ロスチャイルドもロックフェラーも、来日時は一番に連絡入れるらしい。

でも、むっちゃいい人なんだってさ。楽しみだけど、なんか、会いずらいよね」

「なんで?」

「だってKさんに会うとさ、その周りにまた会う事になるんでしょ?

めんどくさそうじゃん。それでなくても、月末から色々ややこしくて忙しくなりそうなのに」

私はため息とともに、プルームテックの煙を吐いた。本心から、そう思っていた。


「要はさ、VIPってことでしょう?

VIPてさ、目つけられるんだよ。どこからも。
FBI,CIA。他何があるかしらないけどさ。

取引先の顧客にさ、王室だとか色々バンバンわけわかんないのもいるわけじゃない。

そんなんさ、絡むっていっても、めんどくさいというかさ、何でからんで新しいステージになるのかよくわかんないよ」

毒舌妖精は、ニヤっと笑った。


「あんたさ、仕事の契約とるんだよ。Kさんとこの」


「仕事?」

毒舌妖精はこう続けた。

「そう、仕事。風水の監修ね。新しくミュージアム建てるっていってたでしょ?」


そう、さっきTさんからも言われたばかりだった。


「ああ、あの件ね。んでも、そんなでかい話にジョイントするのってけっこう予算通すの大変じゃないの?
あの人、メトロポリタンからも声かかってるっていってたじゃん。私人間界ではまだまだ無名だよ」


「それがね、そうなるんだよ。しょうがないじゃん。ソウルメイトだもん」


Kさんというのは、世界的に著名なあるもののコレクターでもある。
そして、良い人らしい。仙人のような人だと、Tさんはいう。


「確かに、今の仕事がはじまったのも、Yさんからだもんね。
Yさんと会ってから、今の知り合いのほぼほぼの流れがきたんだよなたしか。

それから10年はたってないけど、あれやこれやとあっという間だったね。

金融とか日本のことはよくわかったけど、私、世界ってなるとよくわかんないことだらけなんだよね。
ロックフェラーも、ロスチャイルドもよくしらないし。興味ないからあんまわかってないし。
陰謀論、あんま興味ないし調べたこともないんだよね特に。
ていうか、周りの人、どっちかっていうと仲良くしてるっぽい人ばっかだしなぁ」


妖精たちは、目を見合わせて笑った。

「あのさ、百聞は一見にしかず、なんだよ。

会えばわかるよ」


私は、妖精に尋ねた。


「え、ていうことは。いつものごとく、会うってこと?」


「そう」


「ロスチャイルドにも、ロックフェラーの人間にも?」


「そうだよ」


「何で?」


「だって、友達になるんだもの」

「友達!???」


「そうだよ、調べてみな」


つらつらっと、妖精に言われるがままに、リサーチをかけた。
するとどうだろう、あがってきた記事に目が行く。

クリックするとでてきた記事には、こうある。

Kさんは、チャリティーコンサートでロックフェラーの令嬢を招待したとのこと。


「・・・チャリティーコンサートで軽く呼んでるってことは、けっこう、なかいいんだね」

「だね」

「あの、私、英語しゃべるのって苦手なんですけど」

「大丈夫、ソウルメイトのスーパー通訳が何人もいるから」


「会うのに何着ていけばいいの」


「大丈夫、妖精がスタイリングしてあげる」


ああいえばこういう、状態である。
いつも妖精は唐突だ。唐突に新しいステージだよ(^u^)とか言ってとんでもないところに私をぶちこむ。


「・・・あの、何であうことになるの」


妖精たちは声をそろえてこう言った。


「みんな、妖精が何言ってるか、知りたいんだってー!」

実にうれしそうである。


「それ私ただの通訳じゃん、別のにしてよ」


「何で?」


「だって、めんどくさいじゃん。私今の引きこもりニート的ライフすごい気に入ってるんだけど!

でかけたくないんだけど!」


「大丈夫!すぐ慣れるから!」


「大丈夫!超リア充生活できるから!」


口々に妖精たちはごまかそうと何かを言う。私はまたため息をはいた。


「温泉・・・・」


「え?」


私は、妖精を見てこうつぶやいた。


「何かあったら、温泉に逃げてやる」


妖精は笑いながら私を見てこう言った。


「意外といいやつもいるかもよ?ソウルメイトもいっぱいいるよ?

何よりさ、価値観とか感性が合うやつがいっぱいだよ?

あんたにとってのソウルメイトは、そういうとこにいっぱいいるからこういうのがくるんだよ。
実に楽しいじゃない。だって、その分野勉強するのにもってこいの先生でしょ?

あんた、アート、勉強したかったんじゃないの?」


「・・・たしかにそうだけどさ、なんでいっつもそういうのばっかつれてくんの。

米国債勉強したいっていったらさ、東大卒のエリートで日米のなんたら会の偉いやつつれてくるしさ。
ミュシャの時だってそうじゃん、ミュシャの世界的に一番くらい詳しいコレクターだったしさ。

そりゃ、勉強にはなるよ?

でも、覚えるの大変だし、何より付き合いに金かかるんだよ!金!」


妖精はため息をはいた。


「あんたって、ケチねぇ」


私は頭をかきながら、こう言った。


「当たり前じゃん!食事代も0が1つ多い、それにそういう人に会うとき着てく服だって0が1つ多いんだよ!
数十万の服何枚かってもさ、今引きこもりニートだから着ていくとこないんだよ!」


「あら、これからはあるじゃない。よかったじゃない、前もって買っておいて」


「そこ!ごまかすな!うちクローゼットいっぱいすぎて大変なんだよ!管理!」


「あら、飽きた奴、○○さんの娘とか弟子のYちゃんにあげればいいじゃない」


「こないだあげたじゃん!まだ増やすか!」


妖精は、ため息をはいた。

「当たり前じゃない、クローゼットじゃなくて、衣裳部屋が必要になるんだから。
社交界、政財界なら当然でしょ?」


私はため息をはいた。


「・・・うちの両親は普通ですけど、凡人ですけど。私ももともとそうですけど」


いつもブラックサンダーをねだってくる妖精がここぞとばかりにドヤってきた。

「あたしたちのエネルギーにあう層って、そもそもそのくらいなのよ。
それが何?文句あるの?

贅沢、悦楽、欲しいものを求めるがままに得られる人生。
それがあたしたちのエネルギーにふさわしいのよ。そもそも貧乏くさいの嫌いだもん」


「そんな事いってるけどそこ!昨日、豆腐買おうとしたら半額の豆腐買えってケチくさいこと言ったじゃんwwwww」

「その日食べるもんはいいんだよボケ、どうせ食うのお前だろ」


「50円しか違わないじゃんwwwwww」

「そもそも賞味期限って、食べちゃだめって期限じゃないじゃん。文句言い過ぎ、ウルサイ」


毒舌妖精はすねながら、みかんの上に立った。

「そもそもさ、このコタツにみかんってのが気に入らないのよ。
みかんっていいうより、オレンジ?そう。テイストがあわないのよねぇ」


「んなこと言いつつみかん充分食ってんじゃんかよ、うちのみかんはおたくらのせいでカビるの異常にはやいんだよ」


嫌味を言う私の頭の上に、毒舌妖精は飛び乗ってきた。

「いい?これから、あんたは本来の魂の波動が同じソウルメイトにあうんだよ。
いろんなことが楽になる、でもね。

新しくくるものがあるってことは、離れるものもあるってことなの。
合わないものは合わない、しょうがないわ。

あんたは、これからどうしたい?じゃないのよ。

どうするべきか?なの。
そろそろ、他人の世話やくのは終了よ。

これからは、あんたの人生の本題がはじまるんだから。

アートよ、アート。

あんたね、世界的に有名なVIPになるから」


「え、何の?」


「デンパでキチガイなVIP」


「それwwwwwwうれしくないwwwww」


「どこ行っても、妖精妖精っていわれるんだよ、妖精の話されるんだよwwwww」


「もうちょっとまともな人生がいいんだけど!」


「もう遅い」


「引きこもり!ニート!したい!」


「だめだよ、もうすでに打ち合わせのアポはいってるじゃん」


「うぅ・・・」


それを言われるとぐぅの音も出ない。
そう、もう色々動かなければならない予定が入ってしまっているのだ。

仮病使ってキャンセルしたとしても、またリスケしなければならなくなるだけなのである。


「あの・・・初歩的な質問いい?」


「何?」


「結局、私の肩書きは何になるの?」


妖精たちはため息をはいた。


「だからさ、いってんじゃん。経営者って。

あんた、バカ?」


私も、ため息をはいた。


先を考えると頭が痛くなるような想いだった。



休みがないのはいやだ。月に3日しか働きたくない。


この理想を追求してしばらくがんばるしかないのだろうか。
とりあえず、サボることを考えて働くようにしよう。


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ソウルメイトというもの

ソウルメイト

最近、色々と考えることがある。

ソウルメイトというものについても。よくある定義は「無償の愛」とか「会うだけですべてがかわる」だとかなんとなく一方的な、受け身で美味しい想いができるとか、小説や映画、漫画だとかにでてきそうな展開だったり関係性じゃないかと思う。

私の場合は、そういうものはほとんどといってない。

人間同士なので、心模様も様々で、一度のみならず何度か対立した結果、家族同然の付き合いをするようになった親より年上の人もいれば、お互い色々思うこともありながら折り合いをつけ理解を深め、結果姉妹のような関係になった人もいる。


スムーズに良い関係が築けたかといわれるとそうではない。
きれいごとだけではない。

その代り、いろんな思い入れがあり、一口で説明するのが難しいくらい色々とある関係の中で築かれたものは、言葉にならないものであり、誰1人としてその人の代わりはいない。


そういう人が、何人もいる。


ソウルメイトは、誰?ときかれると、たくさんいる。


1人1人。とても自分にとっては重要な人物だ。

そもそも、興味がなく、何も思わない人間とは付き合わない主義なので、いらないと思う人間関係はよほどでなければない。


人間の世界は、人間同士の関係性が希薄だと思うことがよくある。


どうして、そんなに希薄になれるのかと思うこともあるくらい、自分しか見ていない人が時々いる。


人生は、「大事だと思える、重要だと思える人がどれだけいるかで、その価値が決まる」と常々私は考えることがよくあるのだけれど、どんなに素晴らしいといわれるものも、力あるものも、手に入れたとしても共に分かち合う人たちがいなければ何の意味もない。

私の親しい人が、よく言う言葉。


「死んだら、その先には何ももっていけないのよ」

本当にそうだ、と思う。

持っていかざるを得ないものがあるとしたら、後悔、悔やみではないだろうか。

本当の理想は、人生で関わる人間はソウルメイト、直接的な関わりがなくとも自分の目的を達成するのに関わる全ての人間、同じ時代に生きるすべての人間をソウルメイト、と考えることなのだろうけれど、私はそこまで広い心を持ち合わせていないので(苦笑)今はそう思えないという自分を大事にしていこうと思う。


今日は、なんとなく朝起きてから思うことがある。



人生を充実させるだとか、人よりもしあわせになりたいだとか、成功したいだとかよりも大事なことがある。

それは、大事な人と楽しい時間をすごすこと。

とてもシンプルなことで、そういう人が1人もいない人生は何が得られたとしても、何も得た実感はない。
空虚が残り続ける。


そういう人を自分はたくさん見て、たくさんあってきた。


会ってよかった、出会えてよかった。そう思う人と会う時間を過ごしていくことが人生の醍醐味ではないかと思う。


これから自分は色々環境の変化を迎えることになるのだけれど、いくら忙しくなってもその考えだけは忘れないようにしていきたいなと思う。


できるだけ多くの人に、「自分にとって大事な人」との時間を大事にしてほしい。

もちろん、動物との時間も。


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モノクローム

夢日記

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私は空を見上げている。ここはモノクロームの世界。
曇り空なのか、そもそも青空が広がっていてもわからないような色彩のない世界だ。

色のない世界。ここに私は、私たちはいる。

「ここは一体、どこなのだろうね」

誰かが尋ねる声が聞こえる。答えをもちあわせていない私は、沈黙で答える。

色のない世界に喜びはなく、悲しみもなく、苦しみもないように見える。

しかし、それらは全て、そういったものに覆い尽くされてしまったが故にこのような色合いになってしまったのである。


「そうか、ここは、色がないんじゃないだ。色が混ざり過ぎてよくわからなくなってしまったんだ」

そんなことを思いながら、私は歩く。

浜辺のように見える場所は、湖畔のようだ。
ここは海ではなく、とある湖。


それは、とても神聖な場所。遠い昔に精霊たちが誓った場所。

私は、その湖にはいっていった。

裸足のまま、歩いて膝までつかる。水は冷たくてきもちがいい。

この水は生きている、水は揺れながら私の足に何かを伝えようとしている。

私は両手を水につけた。



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するとどうだろう、湖の水面から水滴が浮かび上がりはじめた。

「まるで本当に、生きているみたいだ」

私はそうつぶやいた。
水はずっと生きている。意識がある。人間に使われ、だまされているふりをしてきた。ただそれだけなのだ。

水は、次々と水滴になり浮かび上がった。


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まるで磨かれた水晶の球体のように、小さな透明の粒は浮かび上がり無数の群れを成す。

ひとつひとつの粒は、それぞれに透明の世界がある。

そのひとつひとつを見ているうちに、透明の世界は何かがうっすらと映し出されるように変化していく。

何かの場面のような、映像のような、静止画面や画像のような。


魂が忘れ去ったような遠い過去についても、私が生まれる前についても。

今の私が生まれた瞬間についても。


私は気づくと、泣いていた。

自らの眼からこぼれおちる涙も、これらの水の群れと混ざり浮かび上がり私の周りを舞うように飛び交った。


「思い出して、思い出して、みんな思い出して。

もうはじまっているから」

どこかから声がする。水が話しているようだ。


私は、尋ねる。


「何を、思い出す?
何がはじまってる?」

声は続ける。


「精霊たちは争うために戦ったんじゃない、それは競争ではない。

それは摂理」

水は、群れをなし、何かの形をあらわした。

それは、世界地図のようだった。


「これから国がなくなり、新たな国が生まれるよ。

それは何度も繰り返されてきたことだよ。

貴方の生まれた国はその大陸の一部がこれから沈むんだ。
その時に貴方は多くを失う。

貴方の魂の大事なものも、それはもうわかっている。

だから急がなくちゃならないんだ。

彼女は何度も貴方の姉であり同志であり、魂の一部だから。
なるべくなら、できるだけ、そばにいて。

貴方はそうして彼女の精神を受け継ぐのだから。
眼をそらしてはならないよ、それがあなたの苦しみであり力だから」


私は水の精霊たちの言葉を聞きながら、泣いた。


「これから色々はじまっても、色々手に入れても、彼女のいない私の人生は空虚だ。

今まで彼女がいたからはじまったことがあるのに。

彼女のためにがんばったのに。


どうして、彼女がいなくならなきゃいけないの?

あの人が何をしたっていうの?

私は、お金も、名声も、何もいらない。あの人が友人として、そばにいて、そういう人が周りにいればそれなりに楽しいよ。

どうして、私は、いつも前に進むために何かを手放さなきゃいけないの?」


水の精霊たちは、こうかえす。


「誰もがそうある、全ての魂は何かを失いながら何かを得る。学ぶ。

貴方のまわりにもそういった魂がたくさんいるだろう?


貴方にとって必要なものは残される。

貴方は大事なものを失うことで思い出す。

かつての自分が何であったか。

魂がたどった軌跡を思い出すために、それらすべては用意された。
貴方は、かつての貴方へと戻るために背負い失い前に進む。

それは、全て貴方の魂が望んだことだ。

そして誰もがそうあるのだから」


私は、大事なその女性の名前を呼び続けた。
泣きながら、何度も。


モノクロームの世界で。




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